吉川雅夫 & 野口道子 Duo 30曲 音源と楽譜

吉川氏とは東京マリンバ時代からすると延べで30年一緒に弾かせていただきました。そもそも私が氏とご一緒することになったのは、私が大学院を出たばかりの時、打楽器の小林美隆先生の紹介で、吉川、卜部氏と3人でNHKの30分のFM番組のマリンバトリオ収録を行ったのがきっかけでした。その半年後に、「東京マリンバトリオ」結成の話が持ち上がり、クラシック、ジャズ、委嘱オリジナル作品などのプログラムでリサイタルを開催。その後、数年おきに東京でリサイタルを開催しながら、20年もの間各地で演奏活動を続け、2003年にはアメリカでもコンサートツアーも行いました。吉川氏とのDuoは1999年～2006年の8年間でその間、東京でリサイタルを4回開催しました。

吉川氏は合わせの時点でご自分の音楽はほぼ完成しており、私はそれに出来るだけうまく演出するという役目。バイクで練習室にやってきて軽く2,3回弾いて「じゃ、本番で」という感じ。細かく合わせ込むということは殆どなく、スタジオミュージシャンスタイルのDuoでした。
ここに掲載した音源は全て、吉川氏との合わせの後、わたし自身が調整するために録音させていただいていた、本番前の合わせ練習の録音です。

吉川氏の演奏の特徴は「驚異的なテクニック」「躍動する本物のビート」、「圧倒的な感性」、そして「深々と唄いこむトレモロメロディーの美しさ」。
楽器と体が一体化した奏法から発せられる木の音色の深さ。欧米奏者とは一線を画する、日本人ならではの深い味わいとマリンバへの慈しみがそこにあります。 お聴きいただけば、マリンバを愛して止まなかった吉川氏の描いた「マリンバ観」が伝わってくるでしょう。是非多くの方に「吉川マリンバ」を知っていただきたいと思います。

吉川雅夫 Solo音源集（20代~80代）ページもどうぞ、ご覧下さい。